老人ホームの入居一時金、途中で退去したら戻ってくる?——クーリングオフと返還金制度を解説

有料老人ホームの入居一時金は、短期間で退去や死亡があった場合に一部が返還される仕組みがあります。90日以内のクーリングオフ制度や償却ルール、返還金トラブルを防ぐために契約前に確認すべきポイントをまとめました。

入居一時金は「使った分だけ償却」される仕組み

有料老人ホームの入居一時金は、入居時にまとめて支払う家賃の前払いのような性質を持っています。多くの施設では、契約時に定めた「初期償却率」で一部を最初に差し引いた後、残りを一定期間(想定入居期間)にわたって月割りで償却していく仕組みが取られています。そのため、想定期間より早く退去したり、入居者が亡くなったりした場合は、未償却分が返還金として戻ってくるのが一般的です。契約書の重要事項説明書で、償却期間と償却率が明記されているかを必ず確認しましょう。

入居後90日以内は「クーリングオフ」で全額返還も

老人福祉法に関連する行政指導により、多くの有料老人ホームでは入居契約日から90日以内に契約を解除した場合、入居一時金から実際にかかった家賃・食費などの実費相当分を除いた全額を返還する「短期解約特例(クーリングオフ)」を設けています。「入居してみたら想像と違った」というケースに備えられる重要な制度ですが、適用条件や実費の計算方法は施設によって差があるため、契約前に必ず書面で確認しておくことが大切です。

返還金トラブルを避けるための確認ポイント

返還金をめぐるトラブルの多くは、償却期間や返還計算方法の理解不足から生じます。契約前には「入居一時金のうち返還対象となる金額」「償却期間は何年か」「途中解約時の返還金の計算式」を具体的な数字で確認し、できれば書面やシミュレーションを施設側からもらっておくと安心です。また、身元引受人や家族にも契約内容を共有しておくことで、万が一の際に返還請求がスムーズに進められます。

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